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不動産売却時にかかる税金
不動産売却の利益にかかる税金(譲渡所得税)
所得税
売却益にかかります。短期譲渡所得(不動産の所有期間が5年以下)の場合は30%、長期譲渡所得(不動産の所有期間が5年を超える)の場合には15%と定められています。売却の翌年2月から3月ごろに納税することになります。 不動産の所有期間は、不動産を売却する年の1月1日時点で判断される点に注意が必要です。
住民税
売却益にかかります。住民税は、短期譲渡所得の場合は9%、長期上記所得は5%と定められています。都道府県や市区町村に対して売却の翌年6月ごろに納税します。
復興特別所得税
東日本大震災からの復興に必要な財源の確保のための税金です。2013年1月1日から2037年12月31日の期間に発生した売却益にかかります。短期譲渡所得の場合は0.63%、長期譲渡所得の場合は0.315%と定められています。
手続きなどに必要なその他の税金
印紙税
一定額の契約書や領収書など、定められた文書にかかってくる税金を印紙税と呼びます。印紙税の金額は、不動産の売買金額により定められています。例えば「100万円超500万円以下」の場合は「1000円(令和4年3月31日までの軽減措置が適用された金額)」となっており、契約書1通ごとに課税されます。
登録免許税
不動産を売却する時点でローンが残っている場合には、売却前にローンを完済して抵当権を外す必要があります。これはローンを完済しても自動的に抹消されないため、債務者が手続きを行うことにより抵当権を抹消しますが、手続きの際に登録免許税が必要となります。
消費税
不動産売却にかかる仲介手数料や、司法書士に支払う手数料、融資手続きの手数料など、不動産売却にかかってくるさまざまな費用に対して、10%の消費税がかかってきます。また、居住用ではなく投資用(事業用)のマンション売却の場合には消費税の課税対象となります。
譲渡所得税の計算方法
譲渡所得税を計算する際には、下記のステップを踏んで計算します。
- 1.譲渡所得を計算する
譲渡所得 = 譲渡収入金額 -( 取得費用 + 譲渡費用 ) - 2.譲渡所得から特別控除分を差し引く
売却不動産の所有期間などにより、譲渡所得の負担を軽減する特例があります。該当する場合にはその分を差し引きます。 - 3.課税譲渡所得に税率をかける
短期譲渡所得:39.63%、長期譲渡所得:20.315%の税率をかけて最終的な譲渡所得税の額を算出します。
建物の減価償却について
一戸建てやマンションなどの建物は、期間の経過によって価値が減っていく「減価償却」と呼ばれる考え方を適用します。このことから、譲渡所得税を計算する際の取得費用を計算する際には、減価償却費用相当額を差し引きます。
減価償却費を計算する際には「取得価額×0.9×償却率×経過年数」という計算式を使用します。ここで使用する「償却率」は建築方式や非事業用か事業用かといった部分で変動します。
不動産を売却した時の税金
不動産売却を行った場合には、特例や特別控除を使用することによって負担を小さくできます。
例えば、マイホームを売却した際には条件を満たしている場合には3,000万円の特別控除を適用できます。特別控除は自動で適用されるわけではなく、自分で確定申告を行う必要がある点には注意が必要です。
また、不動産を売却した年の1月1日時点で、対象の不動産の所有期間が10年を超えており、条件を満たしている場合については、譲渡所得のうち6000万円以下の部分については税率の軽減措置を適用できます。
このように、不動産を売却して得た利益には税金がかけられますが、特例や特別控除などを利用することによって費用負担を減らせるケースもあります。
相続した不動産を売却した場合
相続した不動産を売却する場合には、相続税以外に「登録免許税」「印紙税」「譲渡所得税」が必要になります。譲渡所得税は上記で説明した通り不動産の所有期間によって税率が変わりますが、この場合の所有期間は被相続人(亡くなった人)が不動産を取得した日からの期間を指します。
また、相続した不動産を売却した際には「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」といった特例を使用することによって譲渡所得税の負担を軽くできるケースもありますので、売却の際に確認しておくと良いでしょう。
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